14 海外サッシの特徴
米国製 木製サッシ 断面カットモデル
国産の高性能サッシは希少で高価です。やむを得ず輸入、となるとハードルが上がりますが、英語が解らなくても仲介業者に頼めば何とかなります。私も英語は苦手です。
木製サッシが断熱性能が高いことを前回お話ししましたが、メンテナンスに問題がありますのでコストと性能を考えると樹脂製サッシになります。アメリカには外が樹脂、内が木製の複合サッシがあります。これなら耐久性とインテリアの両方OKですが、樹脂より高くなります。CLAD(クラッド)という木製サッシにアルミ板を被せたサッシがありますが、梅雨のある日本の気候には合いません。アルミのすき間から木部に水が入り腐朽することがあります。
アメリカのサッシの特徴を3つ上げましょう。
1.スライディングが基本。上げ下げ窓や横のスライディングは信頼できます。ケースメントという縦軸すべり出し窓などありますが、トラブルが出るのはこのような開くタイプです。
2.寸法がインチ。間違う元ですので注意しましょう。インチだけでなくフィートも出てきます。80は80インチ=2032mmですが、8-0と書いてあったら8フィート=2438mmになります。10進法じゃありませんのでややこしいです。
3.納まりが半外付。日本のサッシは外に50mmくらい出ていて、外壁を納めやすいですが、アメリカのものはなぜか30mmくらいしかありません。外側に額縁のようなものを回すのが普通らしく、日本の納まりになじみません。
ドイツ製 樹脂サッシ 断面カットモデル
ドイツのサッシの特徴をアメリカのサッシと比べます。
1.開きが基本。内開きと内倒しを併せ持ったドレーキップタイプや、内開き外開きなど開くタイプが充実しています。スライディングもありますが、問題もありますのでテラス窓くらいにした方が賢明です。網戸はアメリカ製は付属品ですがドイツは別注です。忘れず注文しましょう。
2.寸法はメートルですべて受注生産、どんな寸法でも合わせて作ってくれます。
3.納まりは内付。外壁をサッシに被せて張ります。下は水切りが必須になります。
アメリカのサッシは輸入代理店に在庫があり、それに合わせてリフォーム計画をすれば、工期短くできます。また輸入も船便で2ヶ月なので、その点は良いのですが寸法がインチです。
ドイツはすべて受注生産で、既存の寸法を測って発注できるのは良いけれど、遠いので3ヶ月待ちになります。また顔を知らないヤツには売らないドイツ人気質で、輸入商社はおそらくありません。人脈を伝っての輸入になります。中間業者の保障がない分安いような気がします。あなたはどっち選びますか。