エコリフォームのすすめ

全国商工新聞連載 2013年8月〜2014年1月  

  4 結露対策−一戸建て

 物置二階を子ども部屋にするリフォームの計画のお宅で、現在親子で寝室にしている部屋が窓の結露でたいへんなので何とかしたいというお話しです。北東角の10帖の洋間で、北と東に大きな窓がありました。
 子ども部屋を造る前にこの二つの窓を替えましょう、ということになりました。
 
 毎日寝ている部屋ですので、一日で窓を取り替える必要があります。樹脂製のペアガラス(米国製)で日本に在庫がある現在の窓より一回り小さいサッシを取り寄せ、アルミサッシを外して取り替えます。窓が小さいからすき間が出来ます。とりあえず12mmの合板1枚で塞ぎました。その日から窓の結露はなくなり、寒かった北東の部屋が暖かくなりました。窓の回りは合板1枚、断熱はありません。それでも驚きの変化となりました。
 
 その威力がわかりましたので、北側のサッシ全て取り替えることになりました。すると北側の部屋や廊下が暖かくなり、子どもたちがここで遊ぶようになったのです。おもちゃ箱が使ってなかった北側の部屋に片付きました。
 
 戸建ての場合、結露の問題はサッシに集中します。アルミの熱伝導率は200W/(m・℃)、鉄の4倍、木の1000倍以上もあります。鍋に適した素材です。それを窓枠にしたのではたまりません。ガラスをペアにしただけではアルミ部分の結露は防げません。
 また室内側だけでなく見えない裏側にも結露しますから中の窓台から柱、土台まで水が流れ、腐朽やシロアリの原因になっています。
 
 サッシを断熱性の高い窓に取り替えれば、窓の結露はなくなり、窓からの熱損失は大幅に改善されます。
 アルミサッシの熱貫入率(U値という)は6.5[W/(u・K):以降単位は省略]程度、これではエネルギーは逃げ放題です。U値が小さいほど省エネになります。アルミサッシだとペアガラスでも3.5くらいが限界、アルミと樹脂の複合サッシで2.1程度のものがあります。その程度は採用したいものです。出来れば2.0を切る樹脂サッシや木製サッシが良いですね。
 
 サッシの取替が出来ない場合は樹脂製の内窓を着ける手があります。アルミ製の内窓もありますが、それは避けましょう。アルミ枠から熱が伝わって、内窓の効果が出ません。
 内窓で結露はなくなり断熱性能は上がりますが、根本的な解決ではありません。やはりサッシを外し、躯体を点検補修することが望ましいと思います。リフォームするときは家を修理して長持ちさせるという視点が重要です。