NA.home通信 484号
28.jun.2020

 目がぱっちり大きかったら、人生が違っていたかも。
 眼科で「しっかり開いてください」と言われてもこれが精一杯なのだ。すると、「失礼します」と技師さんの指が伸びてきて瞼を持ち上げられる。検査や撮影の度なので頑張って持ち上げようとするのだが、潜り戸ほどの瞼では持ち上げようも無い。
 
 大滝詠一の(作詞/松本隆)さらばシベリア鉄道に
 ♪君は近視まなざしを読み取れない♪
 という一説があるが、女性の大きな目をどれだけ覗き込んでも、何を考えているか解らなかった青春時代の思い出と重なり、胸がキュンとなる。
 それ以来か大きな目の女性がすごく気になる。お気に入りの女優はだいたいこれ。川口春奈、夏菜あたり。その勢いでアキナにフユミ?それは無い。
 
 「目は口ほどにものを言う」。
 アイコンタクトで呼吸を合わせたり、相手の作戦を読み取って、先に動いたり、スポーツの醍醐味である。
 スポーツばかりで無く、目を見てその人となりを探ることは普通にやっていることだ。「目が笑ってない」とか「嘘つきの目だ」などと勝手に決めつけている。
 サングラスを掛けられると目から表情が探れず、「怪しいヤツ」と思う。
 
 でも西洋人は目では無く口元を見るそうだ。サングラスはOKでマスクは表情を隠すことになる。
 日本で、目上の人に会うのにサングラスを掛ける人はまずいない。同じように西洋ではマスクをしたまま人前に出るのは「失礼な行為」となる。
 
 このコロナ騒ぎで、日本ではマスク着用が抵抗少なく広がったけど、映像を見る限り、欧米ではマスク着用率が極めて低い理由が、この話を聞いて良く理解できる。
 アメリカでマスクして歩いていて「怪しいヤツ」に見られたら命が危ない。ウィルスのほうがよほど安全だと考えるのも無理ない。
 感染防止に有効なマスク着用だか、日本人が思うほど簡単なことではないのかもしれない。


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