NA.home通信 466号
26.May.2019

 昨秋、熊野古道を歩いていたら、靴底が割れてきた。
 家を出るとき、久々のトレッキングシューズの底が濡れていたので、変だな、と思っていたが、前回は雪の中だったので小さな割れ目から水を吸い込んでいたんだろう。
 行程半ばでヒビ割れは本格的になり、土踏まずから踵、つま先へと広がり、両足ともバラバラと砕けていった。世界遺産にプラスチックの破片をばらまいてしまった。
 終点の熊野本宮に着いたときは、中敷きが底になっていた。
 昼食の店の隣がコーナンだったので、777円の作業靴を買い、6,700円の革靴をレジのお姉さんに捨ててもらった。
 2年で靴底が劣化するのはいくら何でもおかしい。おそらく在庫で5〜6年は眠っていたに違いない。10,000円はしそうな靴が安いと思った。金輪際プラスチック底の靴は買わない。
 
 プラスチックは劣化するくせに土に帰らない。やっかいな代物だ。再利用もままならない。
 まだスキーをやっていた頃、独身時代のブーツが劣化して新調した。それを元同僚に話すと、自分のはなんともない、と言う。
 同じシーズンに買ったが彼のはブランドが上で2万円高い。やっぱり違うか。
 ところが子どもとのソリ遊びで木っ端微塵になって気付くとインナーブーツだけになっていた。ソリ遊びで良かった。急斜面でチャレンジしていたら命が危なかった。
 
 最近、台所の蛇口、洗面所の蛇口が次々壊れてきた。壊れた個所はプラスチックの部品。メッキの金属に見えるところがプラスチックで出来ている。壊れて初めて解る。
 原因は繰り返す温度変化だろう。負荷の掛かる場所は早く劣化するようだ。
 
 私も今年65歳になる。あちらこちら劣化してきた。
 劣化して木っ端微塵になる潔さは良いが、砕けてから土に帰らない執念深さはいやだ。負荷を減らして長持ちさせるか。
 んーー。潔くない。

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