NA.home通信 435号
23.Jul.2017

 7月15日早朝3時半、佐賀のホテルで目を覚ました。
 忘れた歯磨きをして、冷たい水を飲み、テレビを点けた。ウインブルドン男子準決勝、丁度終わった。チャンネルを変えると、博多山笠の中継が始まった。4時、こんな早くにやるんだね。
 
 スタートは4時59分、最初の山笠は櫛田神社で旗竿を回ったところで歌を奉納。これが1分。この時間はタイムに入らない。櫛田神社を出て5kmのコースを一気に走り抜ける。5分毎に7台の山笠がスタートして、次々に櫛田神社に入りものすごいスピードで駆け抜けていく。6時にはすべての山笠がゴールしていた。
 交替するとは言え、あの大きな山笠を担いで、5kmを30分で走り抜けるのはたいへんなことだ。普通に走っても30分はきつい。日頃から鍛えていないと無理だ。
 ベテラン女子達が「あのお尻が良いねぇ」と話していた。
 男達は締め込みでお尻は丸見えなのだ。鍛えているから見せられる。たるんだ尻など見たくない。

 この日は福岡経由で帰る。片付けが始まった櫛田神社に行ってみた。
 仮設の桟敷があり、旗竿が立っていた。思ったより狭い。ここをあのスピードで良く回れるものだと感心する。
 街にはまだ締め込み姿の男達が残っていた。打ち上げの帰りなのだろう。みんなやりきった顔をしていた。
 男は外で闘い、家族を守るのが役目。スポーツ選手でも無ければ、闘っている姿を家族に見せることはあまりない。それを解りやすい形で見せられるのが「祭」なのではないか。仕事の出来る男は祭も仕切る。カッコいい!となる。
 博多の男達は、山笠のために体を鍛え、お尻を鍛え、愛する家族にその姿を見せるのだ。
 
 私は走るのが苦手、鈍足である。もし山笠に入っていたなら足を引っ張ったに違いない。良い形のお尻も無理。博多に生まれないで良かった。


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