NA.home通信 434号
2.Jul.2017

 最近各界で天才少年少女が現れ、注目を集めている。
 子どもは誰でも天才だと言うが、その才能を見つけ、花開かせることはなかなか難しいことである。何より本人が気付いてないことが多い。
 ちょっと教わっただけで出来ちゃう、持って生まれた才能、だれでも一つや二つはある。普通に出来ちゃうので、本人は特別だと思ってない。その才能を花開かせたら、天才と言われ、その天才が本気になると、他を寄せ付けなくなる。
 好きなことと才能があることは別なのでややこしい。好きなことを伸ばしていっても、才能のある人に当たると叶わない。そこで挫折することもままあることだ。
 
 落合博満選手は不良部員であまり練習に出ず、試合になると大活躍する。練習に来ないヤツがレギュラーでは不満が出て、落合君はまた練習から離れる。高校卒業前に野球部の監督は「お前は野球を続けるべきだ」と実業団チームに世話をする。
 少女時代、地元では敵無しだったバトミントンの小椋久美子は全国大会で同級生の潮田玲子にコテンパンにやられ、ライバルになる。しかし潮田選手は高校卒業と共にラケットを置くつもりだったようだ。それを知った小椋選手は長距離電話で潮田を説得し、就職が決まっている三洋電機に潮田選手をスカウトするよう談判した。
 
 落合選手は実業団からプロ入りし三冠王に3度輝く。でも高校時代は全く無名。才能があることに気付いていなかったかも。潮田選手にいたっては、輝かしい数々の功績もクラブ活動の一環にしか考えていなかった節がある。天才というのはこういうものだ。その天才を本気にさせることが難しい。
 
 逆に、苦手なこと、出来ないことを努力して少しでも出来るようになるとこれは楽しい。
 持ち前の優れた才能に気付かないまま、苦労して人生を送っている人が大多数なんだろうな。
 自分もそうに違いない。何だっただろうな、俺の才能。


HOME   LIST    433号   435号