NA.home通信 420号
28.Aug.2016

 毎朝牛乳を飲む。
 ウォーキングから帰ってタンパク質とカルシウムの補給。肉でも野菜でも穀物も、生命体を頂いているが、牛乳だけは違う。ありがたい恵みだ。その牛乳1リットルのパックを4日で飲んでいる。
 
 紙パック倉庫の依頼が来た。40年以上前、修業時代の話。ビンからの過渡期だった。
 ロールで大量に来る紙パックを貯蔵する倉庫で、湿気が大敵。湿気るとパックが開かず、ラインが止まってしまう。全国的にも2例目で、1例目は上手くいっていないそうだ。
 そんなものを修行中の身で設計して良いものか。空調の設計してくれる人と、知恵を出し合って作った。たしか室温は20〜25℃で湿度は50%以下。今ならロールの方を真空パックにしたら、シビアな倉庫は要らないのだが、そんな技術も無かったのだろう。
 
 牛乳の工場は設備が全部ステンレス、床は強い薬剤で洗うのでコンクリートのままではいけない。ピッカピカの綺麗な工場が必要で、すごいお金のかかる事業なのだ。
 ついに半田市内の組合は牛乳の生産を中止、修業時代に手がけた数かずの施設も取り壊された。
 
 毎日飲む牛乳、味にはこだわる。大手メーカーに美味しいものは皆無だ。だからコンビニには美味しいものは無い。
 道の駅などに行くと地元で取れた牛乳が置いてある。これらはどれも美味しい。牧場と工場の距離が近いほど、配送距離が短いほど美味しい気がする。
 
 お金がかかる割りに売値が安い牛乳。地方の小さな組合で経営を維持するのは難しいだろう。
 旅先で飲む牛乳はたった1本だけど、その味から生産者の気持ちが伝わってくる。影ながら応援したい。

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