NA.home通信 418号
17.jul.2016

 半田市は田舎だと思っていたが、全国的に見ればそうではないらしい。
 四万十町で古民家再生と人材育成のプロジェクトの見学と研修。11時からの見学に10:15集合だという。時間割変じゃない?
 高知からレンタカーで高速道路を走り1時間あまりで四万十町窪川に着いた。早すぎるので道の駅や札所のお寺で時間を潰し、約束の時間前に四万十町役場に着いた。地元産の桧をふんだんに使った真新しい庁舎、参院選投票日の前日でロビーを仕切って期日前投票所ができていた。
 「そろそろ行きましょうか、付いてきてください。」
 信号が殆ど無い道、四万十川を左に見ながらどんどん走る。30分経ったがまだ走る。
 「何処まで行くんだろ、11時には着くんだろうね」
 これだけ走ると知多半島なら海の中だが、四万十町を出ていない。
 
 四万十町は3町村が合併してできた広大な町である。その広大な町を全戸調査し、耐震改修の必要な家、不要な家、活用可能な空き家、要解体の空き家の4つに分類し、地図に全部プロットアウト。耐震診断申込の斡旋もした。それを全部地元の大工、工務店、建築士が実施したというから驚きである。
 調査件数7397件、要耐震化4018件、活用可能空き家812件など、実態が明らかになった。高知県では毎年1000世帯の移住を推進する方針。言っても住む所あるの?という疑問にも答える結果になった。
 空き家を借りるなり買い取るなりして改修して住めるようにすれば移住可能なのである。それに地元大工、工務店が関わればやりきれないほどの仕事が生まれる。
 
 午後旧大正町役場の会議室で行われた研修会には若い人が目立った。調査に携わった人たちだ。人材育成の意味がわかった。
 午前中見学した家は、築100年の民家を大改造して、若い夫婦が都会から移住していた。
 
 半田に帰って、信号と踏切だらけの道を移動しながら考える。この狭苦しい町をどうしたら良いのか、四万十とは違う答えがきっとあるはず。

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