NA.home通信 413号
3.Apr.2016

 過日10年ぶりの「半田市ふるさと景観賞」が選考され、「亀崎の坂」が選ばれた。まちづくりの活動とのセット受賞だったけど、亀崎をルーツとする者としてはちょっと嬉しい。
 で、先日地元の人たちと歩いた。子どもの頃遊んだはずだけど、記憶が遠く、年月を感じる。道幅が狭く建て替えは容易ではない。建て替えられればそこに生活があり、そうで無ければ放置されいる。この空き家をどうするか、それが問題である。
 
 広島県尾道市、坂道の多いこの町も同じ悩みがあるに違いない。
 千光寺公園に登るロープウェイの乗り場下にある艮(うしとら)神社の境内を西に出ると小さな貼紙。「招き猫美術館は移転しました」ここが「猫の細道」らしい。
 狭く勾配の急な道は猫が安全に暮らせる。いろいろな猫のオブジェが置かれていたり、古民家を利用した施設が点在している。
 情報では「古民家を再生」とあったが、実際はとても再生とは言えない。屋根瓦がズレ落ちていたり、外壁が剥がれたままだったり、防災対策は何もなされていない。この場所に外国人も含め多くの観光客がやってくる。これで良いのだろうか。
 非難しているのではない。空き家を放置するより、何倍も価値がある。ただ、ブームだけで終わらせて欲しくない。と思う。猫をキーワードに未来につなげる町の再生が本当の意味で出来たなら、全国の手本になるだろう。
 
 亀崎の町をテーマにしたワークショップに参加した。やはり空き家利用が最大の問題点としてあげられた。提案はいろいろ出たが、やはり重要なのは尾道の「猫」のようなキーワードだろう。それが見つかったとき、再生が始まるのかも。

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