NA.home通信 400号
28.Jun.2015

 よく続いたものだ。誉められもしなければ、止めたところで誰にも迷惑かからない。今となっては生きている証のようなこのはがきである。切手代は100万円を超える。ケチな自分からすれば考えられない。
 建築士とは、本は読まない、文は書けない人種である。建築士会の編集委員になってイヤというほどわかった。
 会誌は全く読まれず、1年溜めると古紙回収に送られ、原稿依頼は締め切りに間に合わず、督促して出てきた原稿は箇条書きである。
 これではダメだと編集方針を家族や会社のスタッフ向けに変えた。内容を平易にするべく、執筆者には「幼稚園の子でも解る表現にしてください」と依頼した。会誌の記事が家庭や社内で話題になれば、少しは変わるだろうという作戦。
 それにしても建築士の筆無精は酷い。「国語が嫌いだから建築やってるんだ」と開き直るから始末が悪い。
 顧みれば自分も同じ人種である。編集委員たるもの自分を変えなきゃ。
 
 その編集委員会で出会ったのが通信の先輩H先生である。会議の度にコピーをいただいた。
 「これなら自分でも出来そうだ」とH先生には内緒で始めた。100号くらい続いたところで明かし、お互い通信のやり取りが始まった。
 
 H先生の通信は587号で終わった。私は何号まで届けられるだろうか。1年で17通、500号まではあと6年、それくらいは大丈夫か。年金がもらえるので頑張らないといけない。
 今のところ、高血圧と糖尿の薬は飲んでいるが、BMI値とγ-GTPが高い以外、どこも何ともない。健康そのものだ。
 
 筆無精を克服するため通信を書いた。絵が下手なのでイラスト描いた。でも上手くならないね。文も絵も。
 H先生は500号記念の個展を開いたが、私の画力ではとてもそんなことは出来ない。せめて記念の飲み会でもやろうか。もちろん会費制で。

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