NA.home通信 397号
26.Apr.2015

 中三の春、生徒会の活動に加わった。
 学生運動華やかな時代、半田中学校にも改革の気運があり、生徒会の意見が職員会議に掛けられる仕組みが出来ていた。
 最大の課題は男子生徒の坊主頭からの開放である。「絶壁」、「××ハゲ」など気の毒なあだ名が付き、いじめの対象になる。
 ところがこの課題、僕らの前の政権が、女子も含む全校生徒のアンケートを実施するなど、徹底した調査をし、職員会議も通し、上に答申中なのだ。おかげで全く課題が見つからない。
 
 生徒会で提案を求めるが、決定打がない。
 「男子だけ帽子があるのは不公平、女子にも帽子を」。  こんな意見誰も支持しない。制服廃止の意見も出た。時代はまだ成長の途中、制服が貧富の差を隠していることをみんな理解している。
 
 役員会は授業中公休で集まる。たいした議題はない。男子4名、女子3名、授業中なのに茶話会。楽しかったな。
 結局何も職員会議に上げる議題も生まれず、体育大会が最後の仕事で、半年の任期は終了。男子の頭髪自由化は、僕らが卒業すると公認された。
 
 今日は市議会議員選挙の投票日。生徒会選挙を思い出した。
 選挙管理委員長になった男がウチのクラスで全役員を埋める、と言いだした。候補者は彼の指名、金丸信のような男だ。
 公示前にポスターを作成し、届け出と同時にポスターを張り出す。
 無投票はなく、全ての役職は選挙になり、取れたのは7ポスト中3つ。会長を落としたので負けに近い。でもそういう強引さが無ければ立候補などあり得なかった。
 
 何も実績を上げることのない生徒会だったが、市議会となるとそうはいかない。当選した議員のみなさんには頑張っていただきたい。議会は茶話会ではないのだから。

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