NA.home通信 386号
31.aug.2014

 ついに60回目の誕生日が過ぎた。これは予測外の事態、老いていく姿を想像していなかったので、この先が見えない。
 とりあえず、仕事はあと10年頑張ろうと去年決めたので69歳まで、あと9年である。しかし9年前を振り返ると恐ろしいほど最近である。50代は短かったが60代はさらに短いのか。
 建築士会には終身正会員制度があって、70歳以上で会員歴40年以上、会に多大な貢献のあった者、という規定。簡単そうで難しい。
 一番のハードルは多大な貢献というところで、建築士会連合会長賞を得ることが条件。私は43歳でもらったので、資格は十分。入会は20代なので70歳まで会費を払い続ければなれる。ここまで元気でいることを目標にしている。
 
 最近気になることは、同年代の友人、年下、先輩も含め身近な人たちが次々と逝く。この通信も今年二人の読者を失っている。このようなことは今までない。自分の存在意義が揺らぐ。
 
 甲子園で優勝した大阪桐蔭の中村主将の中学時代の作文が話題になっている。
 小学校時代のライバルで友人、中学になっても違うチームで戦うことを誓った。しかし、そのチームとの試合に彼は居ない。病気で障害者になっていた。誰も望んで障害者なるのではない。どんな障害を背負っても生きていかなければならない。自分とは違う他人を受け入れる思いこそ差別のない社会の実現につながる。友人のためにもプロ野球選手になり活躍を誓う。という内容で、読んでて涙が出た。
 
 健康診断の数値は良くないが元気に動ける体がある。入院は小二で盲腸を手術して以来無い。「これで十分じゃないか」と自分に言い聞かせた。志半ばで天国へ行った人たちの分まで背負うことは出来ないが、その分大事に生きよう。
 中学生の作文から勇気をもらった。
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