NA.home通信 384号
20.jul.2014

 「アナログ人間とデジタル人間の違いを説明したまえ」
 前回話題にした先生の通信に書き添えてあった。果たし状である。私はFAXでこう回答した。

 手の指5本で10数えるのがアナログ、2の5乗で32まで数えるのがデジタル。つまり限られた条件で工夫してたくさんの仕事をこなす手法である。マルチな才能を発揮する先生も十分デジタル人間ですよ。

 8ビットパソコンは実にアナログだった。
 左右それぞれ4本の指(ビット)で1組(1バイト)、片方2の4乗=16で0〜9,ABCDEFまで使い、二個並べて00〜FFまで16の2乗256種類が1バイト。256はバカにならず、アルファベット大文字、小文字、カタカナ全部入れてもまだ余る。これらを1バイト文字という。漢字は2バイトでJISコードから引き出してくる。
 パソコンには番地があって0000〜FFFFまで、65,536区画。この世界は2の10乗=1024を1キロとしているので、64キロバイトがパソコンの広さだった。この限られた場所にデータを入れたり出したりして処理をする。この中にはOSに当たる機能や、プログラムも書き込まないといけないので、作業エリアは実に狭い。
 森博嗣の「全てがFになる」という小説はこの狭い8ビットパソコンに苦しんだ経験があれば非常によく解る。
 全ての数字がFに、つまり容量が一杯になったら何かが起こるという話。今なら一杯になったらデータをメモリに移すとか、HDを仮想メモリにすれば無限大になる。それでは小説にならない。

 デジタルも良いがアナログがやっぱり良い。プリンセスプリンセスの「ダイヤモンド」を久々に聴いた。
  ブラウン管じゃわからない 景色が見たい
  針がおりる瞬間の胸の鼓動焼き付けろ
 たまらん歌詞だね。年をとってもやめられない。

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