NA.home通信 382号
8.jun.2014

 「西から登ったおひさまが、東に沈む」
 えーと思っていると「それでいいのだー、それでいいのだ」ばかばかしくて言葉が出ない。
 天才バカボンの主題歌、作者の赤塚不二夫の詞である。
 インチキおじさんが登場するのは「踊るポンポコリン」、さくらももこの作詞。
 春の甲子園の入場行進曲にZARDの「まけないで」が選ばれたとき、NHKのニュースで、
 「作曲の織田哲郎さんは踊るポンポコリンについで2曲目です」。
 えー織田哲郎作曲だったんだ。
 ゲゲゲの鬼太郎の新シリーズで、吉幾三はテーマソングの依頼を断った。「これ以上の作品は書けない」と。だったら歌ってと言われて歌ったそうだ。でも熊倉一雄だよ、僕らには。
 
 その水木しげるの生誕地境港に先日行ってきた。私は3年前に続き二度目になる。
 皆生温泉を朝8時に出たので、着いたらまだ8時半。人気のない水木しげるロードだが、妖怪たちが出迎えてくれた。
 還暦旅行の僕らが「午羊会(ごようかい)」だから仲間だ。子泣きじじいや、ぬらりひょん、べとべとさんみたいなヤツも居る。水木しげる記念館は開館前で入れなかったが、それなりに楽しかった。
 
 作者が作ったアニメソングの王様は「アンパンマンマーチ」。作詞ばかりか作曲まで、やなせたかし氏。「手のひらを太陽に」などでも有名なソングライターでもある。
 これは前者3曲とは違う正統的なものだ。保育園でこの曲がかかると泣いていた子も手をたたきながら踊り出す。東日本大震災時にリクエストが急増したのも頷ける。
 漫画家本人が書いた歌詞の共通点は作者でなければ書けない詞である。どれも奇想天外なものが多い中、さすがやなせたかしである。
 「そうだ!嬉しいんだ生きる喜び たとえ胸の傷が痛んでも」
 詞を読み直すだけで涙が出てくる。
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