NA.home通信 380号
27.apr.2014

 旅行者にとってインターネットはとても便利で、飛行機や旅館ホテルの予約から、さまざまな観光地の情報を事前に調べることができ、旅行の企画を大いに助けてくれる。その一方でネットでは情報入手不可なのが路線バスである。
 バス会社のホームページはまず旅行者が見るとは思っていない。地元住民の足なのだから当然といえばそれまでだが、バス経路図を見ても、地名が全くわからない。「健康センター前」って一体どこ。また、ホテルの案内で「××バス停徒歩3分」と書いてあってもそのバス停に行く経路がわからない。

 新幹線で三島まで行き、バスで芦ノ湖へ向かう。バス停は5番。改札を出るとバス停が見えた。トイレに行く前にバス停を確認。
 ところがバス停に元箱根行きはない。何故だ。バス会社のホームページを確認したが間違いない。スマホで三島駅の見取図を見ると、反対側の南口にもバス停があることがわかった。
 マズイ。
 南口に行くには改札を抜ける必要がある。駅員に証明をもらい地下道を走った。結構長い。南口を走り出たときに、目の前を箱根行きが出て行った。
 
 芦ノ湖周辺の話は割愛。湖北端の渡船場まで来た。あとはホテルに行くまで。
 船は下りたがバス停がない。何の案内も無い。こういう場合、ホテルに電話して聞くのが一番。遊覧船ではなく、海賊船が着く桃源郷(駅の名前)まで歩いて移動するとバス停があるという。歩いて5分ほどなので問題ないが、行ってみてわかった。海賊船もそこから出るゴンドラも、バスも全部小田急だったのだ。箱根は小田急以外は公共交通にあらずという雰囲気である。行き先が「小田原行き」で良いのか?確認している間に1本出て行った。
 
 路線バスは行ってみないとわからない。地元の人もよく知らない。バス会社間の連絡全くない。県境の壁は簡単ではない。太川陽介の苦労がよく解る。あれほどではないにしろ、路線バスは、無くなりつつある旅のスリルが味わえる。
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