NA.home通信 378号
16.mar.2014

 春の旅は桜咲くころが良い。でも相手は自然、こちらが思うように咲いてくれない。毎週のように出掛ければ当たるだろうが、そうもいかず年一回のチャンスに賭けるしかない。狙って外れ、狙わずに当たる。秋田県角館の桜祭りに行って一輪も見ずに帰ってきたこともある。
 
 伊豆の河津桜を計画していた。2月初旬に開花した情報を得て急遽予定を一週間早め、2月下旬に行ったが、それでも遅かった。下田からの電車から見て、「咲いていたら下りよう」と決めたがやはり葉桜。やけくそで桜祭りやっている。そのままスルーして伊豆高原に行くと、そこで大島桜が満開。ポスターには「桜祭りは3月20日から」と書いてある。一ヶ月も早く咲いてしまったのだ。だから旅行者が外すのは仕方がない。
 
 近江八幡への一泊旅行は参加者の日程が合わず4月18日になり、その時点で桜はあきらめた。でも神が味方したかその年は4月上旬が寒く開花が遅れた。
 近江八幡に行ってみると超満開、見事な花盛りである。それが午後3時になると風が出てきて一斉に散りだした。花吹雪である。お堀の水面がみるみる桜色に染まっていく。こんな光景は一生見ることは出来ないだろう。
 翌日の彦根城も満開。ピンク色に染まった山にそびえる天守閣、見事だった。まだメジャーでなかったひこにゃんにも会ってきた。
 
 竹内まりやは「人生の扉」で、満開の桜や/色づく山の紅葉を/この先いったい何度/見ることになるだろう と歌っている。彼女も3月で私と同じ59歳。若いころは何とも思わなかった季節の移ろいが気に掛かるようになる年代なのだろう。
 
 今年はどこで桜に会えるか、狙わずに期待しながら出掛けるとしよう。
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