NA.home通信 374号
18.dec.2013

 耐震診断ローラー作戦をやっている。市の職員、地元の役員さんと僕ら診断員が組になって、無料耐震診断の対象で未診断の家を一軒ずつ訪問する。
 30代で新築して40年余り住んでいる家が多く、ほとんどが高齢者住宅である。診断は説得して受けていただくことが出来るが、ほとんどは改修につながらない。お子さんたちが別に居を構えて戻ってこないことが理由だ。しかし地震で家が潰れても親を助けに来ることは出来ないのである。診断報告書をきっかけに、もしものことを話し合っていただきたい。
 それでも「壊れたら息子の家に行くから」と、何もわかっていない。位牌になってからでは遅いのだ。
 
 今年も喪中はがきが届いた。近石真介のCMではないが、エッと驚く知らせもある中、顕著な傾向が見られた。
 それは亡くなられた方の年齢で、90代が実に多く、ほぼ半数である。平均寿命の伸びは現実だ。「もう70過ぎたからあと十年」と言うが、甘い!最低20年は生きる。
 90過ぎまで生きると子どもたちも高齢者になっている。だから子どもたちに面倒を見てもらう時代は終わったと考えるべきである。
 
 もう半月で年が変わる。私にとって6回目の午年、還暦である。
 今年断熱リフォームを決行し、家は快適になったが娘を留め置くことは出来ないようで、二人暮らしに戻る。わが家も高齢者住宅になる。人ごとではない。
 
 自分のことになると遠い将来は想像が付かない。毎日酒を飲んで、検診結果は毎年後退。
 せいぜいあと10年と思うが、甘い!30年以上生きるかもしれない。まだ働ける内に老後の準備をしておかないといけない。
 そう思うと60歳という節目はまさしく第二の人生の始まりなのだと実感する。野球なら延長戦、サッカーならロスタイム?それにしても30年は長い。
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