NA.home通信 358号
13.jan.2013

 今年は巳年、来年は6回目の午年、つまり還暦である。サラリーマンなら定年だ。自営業なので定年はないが退職金もない。
 退職者の気持ちは解らないが、田中部長と呼ばれていた人が田中さんのご主人に代わる。仕事が無くなれば社会的な存在意義さえ無くなったような気持ちになるのかもしれない。そういう点で天下り機関を大事にしようとする公務員の気持ちは解らなくはないが、税金泥棒となれば腹が立つ。
 
 ある友人の親は高速道路のトンネルの掃除などを請け負っている会社を経営している。さぞかしこのたびのトンネル事故でたいへんなことになっているかと思っていたら、そうではないらしい。
 それは高速道路会社が直接点検しているのではなく、第三者機関が点検して改善などを指示する仕組みになっているのだそうだ。何か原発と似ている。その機関がサボっていたということなのだ。
 
 耐震診断の基準を作っている日本建築防災協会(建防協)も例外ではない。今年度基準が改正され、その講習会が14,000円、診断ソフトが9,000円、全くバカにしている。耐震診断や改修を促進しようと考えるなら、無料で配布してもバチが当たらないと思う。
 その高額のテキストは間違いだらけですぐ改訂版が出た。診断ソフトもどうせそんなものだろう、とても買う気にならない。
 
 建築確認は役所でやっていた業務を民間に移行。その先駆者はノーパンしゃぶしゃぶで建設省をクビになった連中だと聞く。姉歯事件が起これば構造審査の機関を作った。その立ちあげにパーティーを開く能天気ぶりである。
 私たち建築士は社会的な責務を負いながら仕事をしている。いくら歳を取っても「田中さんのご主人」にはならない。
 でも天下り連中、良い車乗ってるなぁ。
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