NA.home通信 353号
23.sep.2012

 「上野発の夜行列車降りたときから青森駅は雪の中」
 ワープロ出始めの頃、展示会でこのフレーズを打ち込み変換機能をテストした。変換が上手くできないときの営業マンの顔を見てからかうのが目的である。買う気などさらさら無い。
 当時は文節変換がやっとで、前後の文章から単語を選ぶ機能はない。夜行列車という強烈なワードがあるので、上野発に決まっているのだが、「上の」とか「上野は津の」などと間違える。
 
 「は」が[wa]だったり[ha]だったりするのでこれで間違うことが多い。建築用語は当たり前のように間違う。
 「収納ハシゴ」は「収納は死後」。生きている内に片付けたいね。腰に張る板は「小幅板」、これが「子は売女」と変換されたときにはモニターを殴り壊した。
 最近の変換機能は良くなった。能力は明らかに私より上である。冒頭の文章を間違えることはない。こちらが変換する漢字を迷っていると、意味の解説が出てくる。
 「解らないのか、しょうがないなぁ」って言われている気がする。少しむかつく。
 でもやっぱり機械だ、こちらの気持ちを察してまで変換しないし、方言もわからない。「やっとかめだなも」を変換する必要ないのに「やっと亀田なも」と無理矢理変換する。バカめ。
 
 昔、「なーもす」という名古屋弁変換ソフトがあった。「準備が出来たら何かキーを押してください」を変換すると「まわし出来たら何かキー押してチョ」となった記憶がある。今でもこんなソフトあるだろうか。
 
 キーボードばかり使っているので字をだんだん忘れてきた。これはイカン。簡単な手紙くらいは手書きでと書き出すと漢字で詰まる。一度パソコンで打ってそれを見て書いても写し間違える。結局プリンターで印刷して署名だけ自筆。ナサケナ。

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