NA.home通信 328号
10.apr.2011

 ゴミで発電する。理想のエコだ。ドイツでは当たり前になっていて、日本は相当遅れている。
 バイオマスというもので、メタンガスを発生させて、ガスエンジンで発電する。メタンガスだから、排泄物というイメージだが、それだけだとカロリーが足らない。カロリーの高い物を混ぜると効率がよくなるそうだ。
 
 高速道路は毎日草を刈っている。たいへんな量だ。草だけではカロリーが足らないので、サービスエリアで出る食用油の廃油、これも困ったゴミだが、これを混ぜると効率が上がり、上手く発酵させられる。油は入れる量で発酵スピードが調節でき都合がよい。バイオマスは24時間働くし、エンジンなので発電量の調整も簡単である。昼間でお天気次第の太陽光発電とはそこが違う。
 しかし、仕事をするのは目に見えない菌なので、上手くはたかせるにはノウハウがいるらしい。食品ゴミなら何でも良さそうだが、きっちり仕分る必要があり、わさびのような殺菌効果のあるものは入れてはいけない。
 日本でも挑戦しているメーカーがあるが、イマイチ上手くいっていない。その最大の欠点が形を真似して作っても、運転のノウハウを学んでいないことである。
 
 日本は初期投資に補助金が出るので、役所から口も出る。それがいけない。
 ドイツは初期投資には補助がなく、発電した電力を安定した高値で買い取ることで、発電所の経営を保証している。施設は安く作って、たくさん発電すれば儲かる、ということである。補助金目当ての日本のメーカーとそこが違う。
 
 原発事故で、この先の原発建設は困難になる。そうなれば自然エネルギー発電は急務だ。それには電気事業連合会べったりの政策を変えられるかどうかが鍵である。

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