NA.home通信 326号
27.feb.2011

 アナログとデジタルの違いについて尋ねられたことがある。そのときこう答えた。
 5本の指で10まで数えるのがアナログで指の折り方で2の5乗=32まで数える、それがデジタル。限られた手段を最大に使う工夫だ。と。
 
 コンピュータは左右各4本の指(bit)を使う。これを一組(byte)として計算をする。それが根拠である。
 4本指の両手を使って動くのを8ビットパソコン、4人並んで一度に計算するのは32ビットとなる。デジカメのような写真は1点にR(赤)G(緑)B(青)計3バイトの情報を与えたのがピクセル(画素)である。
 
 オタクの話しになるのは避けよう。開幕が近いので野球の話。作戦を味方に伝える方法としてサインを使う。まさか「次はカーブ」と叫ぶキャッチャーも居まい。声で伝えるのはいかにもアナログで、ブロックサインのように暗号を視覚化して伝えるのはデジタルっぽい。
 
 五感を使って情報を伝達する場合、一番早いのは目、つまり光である。光を使って情報を伝達すること、これは人間しかできない。蛍は雄が光ることで雌に存在を知らせているが、これは情報伝達の域では無かろう。
 狼煙(のろし)がその良い例である。狼煙を上げることで相当なスピードで情報が伝わったと聞く。
 狼の煙と書くが狼には火が扱えないので「遠吠え」を使う。実にアナログである。仲間ばかりか狼を恐れる小動物にもその存在が解ってしまう。「カーブ」と叫んでいるキャッチャーと違いがない。
 
 光を使っても蛍が光るのはアナログ、どんな生き物でも男女の意思疎通はアナログである。だから面倒くさい。キャッチャーが出す指のサインのように暗号化できないものだろうか。
 ダメダメ、あなたの今思いついた指の形では、イヤらしい。

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