NA.home通信 325号
8.feb.2011

 値段も性能もほぼ同じ商品、どちらを選ぶ?と問われれば、迷わず「デザインの良い方」であろう。
 デザインが良ければ多少高くても、性能が落ちてもそちらを選ぶかもしれない。デザインはパッケージやプレゼンテーションにも不可欠である。
 
 キッチンの天板に使う人工大理石の見本が二つ。片方は昔ながらの四角く切った切ったものがボール紙に貼り付けてあり、一つは黒い固いスポンジに丸く面を取ったピースが嵌り込んでいる。白っぽい人工大理石のピースは黒い枠で際だって見える。値段も安いということでこちらに決まった。
 嵌り込んだ黒い枠からピースを取り出して裏返すと「SAMSUNG」というロゴが貼ってあった。ちなみにボール紙の見本は「東レ」である。
 
 注文してあったスマートフォンが来た。
 これまで携帯電話を買うと小さな箱がたくさんあって、説明書は分厚く携帯電話のサイズではない。ところがこれは箱一つ。小さくて黒くてしっかりしていて格好いい箱である。
 蓋を開けると本体が黒い枠にはまっている。本体の下には説明書が箱に収まり、さらにその下には付属の部品がキチッと収納されていた。
 本体を黒い枠から取り出して裏返すとまた「SAMSUNG」のロゴである。
 
 知り合いの酒屋から宅急便で酒が届いた。四合瓶が一升瓶に見間違うくらいの梱包である。割れ物だがこれは過剰だ。もう少し格好良くパッケージングできないものか。買って良かったと思わせる、それがセンスである。彼の店ばかりでなく、日本の売り手の弱点ではないかと思う。
 
 バレンタインのチョコレートは中身がどうであれパッケージが大事である。たいして美味しくない手づくりチョコより、綺麗なパッケージの明治の板チョコの方がうれしいと思う。
 妻からと義理チョコしか経験のない小生には本当のことはわからないことではあるが。

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