NA.home通信 324号
16.jan.2011

 「お賽銭って、いくら出す?」
 「俺は500円」
 年越しの神社の拝殿に並んだ列の後ろから聞こえた会話である。
 えっ500円??
 根がケチな私は伊勢神宮でも出したことがない高額な賽銭である。それをこんな若い衆が、それも成石神社で、ある。ここで500円出したのでは、振る舞いのそばと升酒1杯と、タオル1本足しても出し勘定になる。それにお札とおみくじを買うと元旦早々相当の出費である。
 財布の中身を見ると運が悪いことに500円玉がある。
 ほかには10円2枚と一万円札。この話を聞かなければ間違いなく10円玉を手にしたのだろうが、やけくそで500円玉を掴んで投げた。
 おかげでお願い事をするのを忘れた。おみくじを買う小銭が無くなったので妻に100円もらって引いたら「末吉」だった。
 
 ラジオのニュースで今年の初詣のお賽銭の平均が620円あまりとか。それはウソだろう。100人のうち99人が10円でも一人が5万円出せば600円くらいの平均になる。だいち分母の人の数はどうやって数えたの?。
 
 妻は45円がベストだと信じている。始終ご縁だそうだ。
 相手は神様だから賽銭の額で差別はしまいと考えている私は1円を除く最低額コインを投げていた。5円玉が最高である。わざわざ用意することはせず、5円玉があれば「ラッキー」と思うのだ。たまたまご縁があったというのが良い。
 
 そう信じてはいても元旦での若い衆の会話、ニュースの金額を聞いていると気持ちが揺らぐ。神様も差別はしないものの、後先になるかも知れない。
 あらためてみなさんに伺いたい。
  「お賽銭って、いくら出す?」

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