NA.home通信 287号
5.nov.2008

 京都議定書は何年前だったっけ。日本では温室効果ガスが減少どころか増えている。何もやっていないと言われても返す言葉がない。
 ドイツでは電気エネルギーの25%を風力でまかなっている、という話し。
 一昨日ドイツから来たミッシェルさんは、博士号を持つバイオマス発電の会社の社長さん。さすがに背が高い。この地域が酪農が盛んだということで、案内させてもらった。
 
 牧場での最大の問題は屎尿処理。それを逆手に取ってエネルギーにしようという考えだ。ドイツではバイオマス発電は4千ヶ所でやっているそうな。そんなにたくさんやっているなら、設備も間違いないだろう。
 
 夏に行った京都大学での環境に関するシンポで、ドイツやオランダでは「農家が3人寄ると発電所を作る話題になる」とか聞いた。どうもホントらしい。
 国策で発電した電力を1KWあたり定額20円で買ってくれるから、採算が計算しやすい。日本ではたった4円/KWhだそうな。これでは民間で発電所を作ることは難しく、どうしても補助金に頼らないと出来ない。
 補助金だと「どうせ貰ったもの」という考えが働き、維持するのに努力しない傾向になりがちである。それより採算を保証した方が良い方向に向かうのでは。

 牛糞がエネルギーになるなら、エネルギーはそこら中にある。トウモロコシの芯、籾殻、牛豚の骨、魚のアラ、給食の食べ残しに至るまで、全部電気になる。もったいないとはこのことだ。
 ここのところ急激な円高である。輸出は冷え込むことが必至だが、輸入は有利だ。外国の技術を導入して、環境対策を進めるには、絶好のチャンスである。


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