NA.home通信 455号
23.Sep.2018

 耳を塞ぐと、ひゅーひゅーと風の音がする。何故だろう。
 聴力検査で「音が聞こえたら手を上げて」と言われて、ヘッドホンを付け、いきなり手を上げると、「まだ音を出してない」と怒られた。
 あのヘッドホンから「ピー」と音が出ることを知ったのは中学生になって、再検査で耳鼻科でキチンと検査したとき。
 結果は異常なし。
 
 自分の耳でしか音を聞いたことが無いので、みんなそうだろうと思っていたが、そうではないらしい。
 それが耳鳴りだと解るまで60年かかった。今も鳴っている。
 耳鳴りというもの銅鑼やシンバルのようにジャンジャン鳴るかと思いきや、人それぞれで、加齢によるものが多いとか。ウソをつけ、子どもの頃から聞こえているぞ。
 B級アンプの残留ノイズのような音で、体感的には50dB弱。左右の差は無い。
 でも悩まされることは無く、気にすることも無かった。ただ、静寂が嫌い。静かだといたたまれなくなる。
 音楽が鳴っているところの方が集中できる。
 何故と訊かれて「ながら族だから」と曖昧な返事をしていたが、思えば勝手に聞こえるこのノイズがイヤだったのかもしれない。
 
 ウォーキングの時はイヤホンでラジオ、茶の間ではテレビ、仕事中も音楽は欠かせない。
 仕事に集中するときは音楽のボリュームを上げる。60dB位の音量になれば気にならなくなる。クラシック音楽がイマイチ好きになれないのはこのせいかな。ピアニッシモが許せない。カルメン序曲のように景気よくやってくれれば良いのに。
 
 ブルートゥースのイヤホンが壊れて、新しいヤツを買った。耳に掛けるタイプだ。これで音楽を聴きながら文庫本を読む。
 ところがイヤホンとメガネのツルが重なってメガネの角度が変わり、本に焦点が合わない。メガネのツルと一体化したヤツないかな。

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