NA.home通信 308号
31.jan.2010

 一昨年やった仕事の支払い調書が送られてきた。
 建築士の仕事は弁護士などと同じで、源泉を引かれて支払われる場合がある。支払者はそれを国庫に納め、その調書を確定申告に間に合うように支払先に渡す。
 一昨年の仕事なら去年の申告になるはずだが、支払われたのが年越しだったので一年ずれた。

 紹介者があっての仕事だったので渋々請けた。
 ところが夏納めた仕事なのに11月になっても支払われない。どういうことかと問いあわせたら、まだ役所が通っていないと言う。仕事は対価を支払って初めて成立するわけで、そんな道理は無い。支払ったら訂正に応じてくれるかとの問いに、
「金をもらえないようなものに、訂正なんかできない」と答えた。
 それでも年内に支払われず、翌年の2月になった。二度とその事務所の仕事はやらない。
 
 先日国土交通省との懇談に参加した。
 その中に1200万円弱の下請代金の内、800万円余りが未収になっている人がいた。地方整備局に相談に行き、元請けに対し「指導します」との回答を貰ったが、その後何の変化もなく再度地方整備局に行くと、「指導したので、それ以上できない」と言われたそうだ。
 懇談後個別対応になって、関係部署に案内されていたがどうなったか心配である。
 
 この不景気、電子入札制度の弊害などによる単価の切り下げで、下請業者はいじめられている。元請けの倒産で窮地に立たされている業者も少なくない。
 こんな世の中に誰がした。
 
 下請はほとんどやらなくなったが、特殊技能を持っているのでたまに頼まれる。
 前金を貰うのもはばかるので、何か対策をとりたいものである。支払がされない場合データが消えるとか、大事な部分は入金後に渡すとか。
 下請といえども強い立場なので出来る話しではある。

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