NA.home通信 246号

13.jun.2006
 中華スープにゆでた冷や麦を入れたものをあなたはラーメンと呼べるか。
 子どもの頃、父親の実家に尾張製粉の冷や麦を持って行ったら出されたものだ。
 友達の家では冷や麦が大鍋で煮込んで出てきた。それを冷や麦だと言い張る友人。
 他人んちの食生活はわからないので、うっかりご馳走になれない。
 塩で揉んだ青菜とムロアジ・サバの削り粉出てきて、ご飯にそれらをのせ、醤油を掛けて混ぜて食べる。確かに旨いとは思うが、帰るというのを引き留めてまで出す料理ではないと思う。
 
 「赤味噌の無い地方ではトンカツに何を掛けて食べてるの?」
 娘が高校生のとき、赤味噌文化が愛知県のものと気づいたのだろう、そう尋ねてきたので「そりゃソースでしょ」と答えた。
 「えー、ソースなんか掛けちゃトンカツが台無しじゃない」
 とっても正しい会話である。
 駒ヶ根名物のソースカツ丼、なんであんなことをして食べるのか全く理解できない。カツとキャベツとご飯は分けて食べた方が絶対旨い。
 その娘は大学で料理をみんなで作って食べるのだそうだが、仕切っているのが愛知県人ではなく、ミックス味噌でつくる豚汁に苦しんでいるようだ。
 
 豚汁、カレー、肉じゃがは「母の味3本柱」である。カレーはいろんな味があっても許せるが、肉じゃがと豚汁は許せない。居酒屋の肉じゃがは豚肉が多い。全然美味しくない。肉じゃがは牛肉だろう、これでは「豚じゃが」ではないか。
 居酒屋は良いが、他人んちで言ってはいけない。肉じゃがを批判するのは母親の悪口を言っているのと同じだから、たとえ腹でどう思うと言葉は気をつけた方が良いだろう。
HOME   LIST     245号    247号