NA.home通信 198号

20.jul.2003
 子どもが小さい頃はアニメ映画など見に行ったが、その後映画を見ることなど無くなっていたけれど、ここ一、二年名古屋で2,3時間空くことがあると名駅近くの映画館で時間をつぶすことを覚えた。
 やっぱり映画は一人で見るモンだね。

 子どもの頃、映画館が近所に何軒もあったのでよく一人で見に行った。学校では一人で行くことは禁止だったが、そんなことはかまわない、映画館の人が保護者みたいなものだからね。
 兄貴なんぞは、ツーカーで只でどこの映画館も入っていた。
 一度一緒に行って顔パスで入ったけど、ケツの据わりが悪く終わりまで見れなかった。やっぱり銭を払って堂々と見た方が良い。

 映画を見に行くといえば親が入場料をくれたが、小遣いは決まっていたので、映画館では都こんぶを買ってぺちゃぺちゃしゃぶりながら2本立ての映画を見た。
 子どもだから見られる映画は決まっている。アニメか怪獣ものだ。
 でも本当に見たいのは大人の映画だった。座頭市や眠狂四郎を見たかったね。
 ウチから1軒おいて隣がキネマという大映の映画館、その隣が半田東映だったから座頭市や眠狂四郎が交代で掛かる。入口脇のスチール写真を見てかっこいいなぁ思っていたが、さすがに眠狂四郎を見に行くから金をくれとは言えなかった。一緒に掛かっている作品がいけない、「花と龍」だとか「緋牡丹博徒」というやくざ映画なのだ。これはどう考えても子どもが見る映画ではない。
 時間に入って眠狂四郎だけ見て出てくるから、と言ったことがあったがやっぱりダメだった。だからキネマに入ったのはガメラだけ、東映はマンガまつりだけという寂しいことになっている。

 昔からあったこれらの映画館は街から消え、郊外型の映画館がたくさん出来たがどうも行く気がしない。やっぱり都こんぶをしゃぶりながら見て、出てからブラブラ歩き、余韻を楽しむのが良い。若大将を気取ってね。

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