NA.home通信 190号

2.feb.2003
 昨年、電子レンジを買い換えた。かなり前にこの話題を書いたが、古すぎて何号だったかわからない。兄が中古で買って店でさんざん使ったものをもらって、ウチで22年使ったものだ。
 古顔の道具がまた一つ消えた。
 人間が古くなってきたので共に生きてきた道具たちも同じように年齢を重ねてきた。たまにしか使わないものならともかく、毎日のように使ってきたものには特に愛着がある。
 今事務所の傍らで暖かい炎をあげているアラジンのストーブもその一つだ。彼(彼女かな)にとっては23回目の冬。手のかかる綿芯で、空だきすると燃えてしまう。手入れしながら上手に使えば5年は保つ。その替え芯を3本ストックしてあるのであと15年は大丈夫だ。

 もう一つは軽四。スバルレックス、水冷2気筒550cc、というシロモノ。
 幼稚園の送り迎えにどうしてももう一台欲しくて、新古車を電話注文で買ったヤツだ。
 その幼稚園児は今年成人式。先日その娘を居酒屋へ送った。
 まさしく子供の成長と共に生きてきた車である。そのうち免許取って子供たちが運転することになるだろう。この車で練習したら上手くなるね、きっと。
 でも困ったことがある。車屋が真剣に治さない。タイヤを頼んだら、工場の隅に眠ったスパイクタイヤのスパイクを引っこ抜いて付けてきたし、マフラーが破れれば、パテでコテコテにして戻ってきた。
 4月になれば16年目の車検が来る。はて、どうするか。部品は無くなってきたけど、車体は錆びて穴が空きだしたけど、フロントガラスのどこかからか雨漏りするけど、ラジオの入りが悪くなったけど、ワイパーは時々動かないけど、ガムテでとめたダッシュボードのフタはついにとれたけど、ナンバープレートはマジックで書いてあるけど、エンジンの調子は良いんだ。
 今日も破れかけのマフラーから2気筒の軽快な排気音を出して、元気に走っている。

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