NA.home通信 189号

16.jan.2003
 ついに来た。市町村が窓口の耐震診断の事業だ。ご存じのように国が50%、県と市町村がそれぞれ25%負担して無料で行う、アレである。
 いかにも自治体がやるように見えるが、やるのは結局俺たちなのだ。建築士の社会的責務といえばそれまでなのだが、押しつけといえなくもない。
 仕組みは市町村が建築士会か建築士事務所協会のどちらかと契約を結び、それを担当支部に回すというもの。建築士会から送られてきた契約書コピーには、業務責任者の欄に支部長である私の名前が書き込まれている。それも4つの市町から300戸を超す数だ。何としよう。

 診断員の追加講習会は12月17日、県からちょっとも診断員の名簿が来ない。診断員が誰かわからなければ手の打ちようがないのだ。
 年の瀬が迫ってきたので、もう待てなくなり、県に脅しの電話を入れたら、整理途中のデータが出てきた。
 建築士会の事務局は「よく県が出しましたね」と驚きのオコトバ。説教しただけなのだが、その内容は県の担当者の名誉のため伏せておこう。

 不完全な名簿を頼りに説明会の案内を全部済ませ、いよいよ仕事を分担する。
 先行して秋から診断業務をしている豊橋の支部長さんのお話では、最初に出てきた診断報告書は全てやり直しさせたとか。今でも半分は訂正あり、さらにその半分は何度訂正させても完全なものができないそうだ。
 「建築士のレベルの低さを実感しますよ」とまで言われる。この不景気に1件25,000円の診断手数料は魅力かもしれないが、やって欲しい診断員とそうでない人がいることも確かだ。

 なんとかトラブル少なく、事業を済ませたいものだ。
 とにかく、事業を済ませて、報酬が出たらそれで委員みんなで温泉にでも行こうと言っている。それを楽しみにとりあえず頑張るとするか。

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