NA.home通信 495号
28.Feb.2021

 鳥が好き。
 焼き鳥では無い、焼き鳥も好きだけど、飛んでいる鳥、野鳥である。とは言え、山に行くのでは無く、日常訪れる鳥に和まされている。
 
 興味を持ったのは中学の友人N君の影響で、彼は出会う野鳥の名前を全部知っていた。
 読書は嫌いだったが、シートン動物記やドリトル先生など、鳥や動物の出てくる本を読んだ。そして気付けば回りにたくさんの鳥たちが居た。ぼんやりしていると区別が付かないが、海、川、田畑、森、街中、家の周り、様々な場所に様々な鳥たち、また季節が変わる度、違う鳥たちがそこに居た。
 
 本を読んだおかげで、この鳥は何を食べる、どういう暮らしをしているなど、そこそこ詳しい。
 先日時代劇を見ていたら「文鳥」が出てきた。雛が落ちているのを拾って育てるくだりが出てきたが、「ちゃんと調べて書け」と、テレビに突っ込んだ。
 文鳥は「ジャワ雀」とも呼ばれ、ジャワ島に住んでいる熱帯の鳥だ。江戸時代にも日本で飼われていたが、日本には居ない。一部野生化しているとの噂も聞くが、後の時代の話しだ。
 ドラマなどに出てくる鳥のシーン、かなり出鱈目だ。時代劇に伝書鳩崩れの外来種、普通に出てくる。
 それほど、鳥に興味の無い人が多いのだ。適当にやっても苦情も少ないのだろう。
 
 お向かいのお宅の梅が咲いた。メジロが盛んに蜜を吸いに来る。
 「梅に鶯、と言うがだいたいメジロだよ」。毎年しゃべっている気がするが、妻が相づちを打つ。これまでは耳に残らなかったようだ。
 最近、「あの鳥は何?」と訊いてくるようになった。よしよし、良いことだ。
 
 鳥が水を飲んだり水浴びをするところが見たくて、水盤を作って毎日水を替えている。しかし全く来ない。もうじき一年になる。
 止めようか思案に暮れている。春になったら考えよう。

HOME   LIST   494号  496号