NA.home通信 493号
17.Jan.2021

 昔は日曜大工、いつの頃かDIYと呼ぶようになった。なんとなく売る側の策略のようだ。
 私の愛用はマキタの日曜大工セット。45年前に策略に嵌まっている。でも電動工具の入手は革命のようだった。
 
 昔は道具も材料も素人が手に入れられるものには限りがあった。ホームセンターが全てと言っても良い。そのホームセンターさえ半田に無く、刈谷のカーマまで行ったものだ。
 
 昔は考えられない時代がやってきた。どんなものでも自宅にいて手に入る。
 こんな道具無いかな、とインターネットで調べるといろんなものが出てくる。特にありがたいのは材料、ホームセンターでは売っていない大きな板、フリー板という集成材の板だ。幅が60cm、長さが3〜4mある。フリー板ドットコムというサイトがあって、税・送料込みの価格が提示されている。こんな大きなもの、着払いだといくら取られるかわからない。そのリスクを減らすためだろう、一般家庭へはお断りで、現場か、建設関係の事業所へのみの配送になっている。そこは卑怯にも建築事務所で登録して取り寄せた。一度取引が成功すればあとは楽だ。
 
 昔は現場で見てきた技を日曜大工に生かした。最近はDIYで得た技や知識を設計・現場に反映している。
 一番はフリー板。棚や家具のみに収まらず、内装にかなり使っている。安いし、反りが少ないし、塗装も楽。木をいっぱい使った暖かみのある内装、実はフリー板を切って貼って塗装しただけ、だったりもする。カンナを使えない素人の技なのかもしれない。
 
 昔は日曜大工は「所詮素人」という下に見ていたとこから、DIYのプロみたいな人が出てきた。私は歓迎したい。
 DIYのフィールドは自宅である。そこから家を大事に使う意識が高まれば良いと思う。
 Do it Yourself、あなた自身でやってみよう、か。少し腹に落ちた。

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