NA.home通信 295号
29.apr.2009

 愛知建築士会で学生向けに設計コンペをやっている、今年で4年目。最初は県内の大学を訪問するなどでPRしていたが、だんだん定着してきて、昨年は全国からレベルの高い作品が集まった。
 今年は田原駅前がテーマ。どんな作品が集まるか楽しみである。  全国にPRするにはメディアを利用するしかないが、やっぱりインターネットが最も効果がある。
 HPを作成し、コンペ情報を集めたサイト「登竜門」に登録する。ここからアクセスしてくる学生が多い。
 登竜門とは学校の門や玄関に、鯉が滝を登って竜になるという伝説に倣って竜の彫刻を取り付けたことに由来する。現在でも数ヵ所に残っていて、松本の旧開智学校は有名である。

 その登竜門を新築の校舎に造る取り組みをしている。場所は知多市の新田小学校。校舎の建て替えに伴い、玄関を登竜門にする。モデルは開智学校、屋根には八角の塔楼が乗る。
 彫刻は校長の間瀬先生が主催する再興立川流彫刻研究所に所属するプロ、アマの作家が総出で制作する。メインの龍や鳳凰は先生の作品である。
 新築の鉄筋の校舎に大きな龍の彫刻が有るというのは何とも面白い。間違いなく全国でここだけだ。
 完成すれば報道されると思うので記憶にとどめておいていただきたい。
 コンペに参加してくる学生を見ると、「まだまだ捨てたものじゃないな」と思う。みんな真剣で真面目に取り組んでいて、胸を打たれる。
 この学生の中には龍のように天に昇って世界を駆け巡るような建築家が育つに違いない。



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