NA.home通信 263号

21.jun.2007
 昔、故人になられた伊丹十三さんの番組で「照葉樹林文化」という仮説を取り上げた番組を見た。
 タイ、ビルマの山間部から、日本の太平洋沿岸まで続くこの地域は、ある種統一した文化を持つ、というのだ。
 里芋のような茎に出来る芋や、餅、団子などを作って食べるのが共通しているらしい。それらを育むのが緑豊かな照葉樹林であるという内容の番組であったと記憶している。ネットで検索したら、かなり出てきたが、特に興味がないので読んでいない。
 
 247号で宮池小学校の木がでたらめに切られていた話しを紹介した。
 一年経った今、ぶっつり切られた太い幹からは芽が出て、不格好な樹形を見せているが、細いものの多くは枯れ、杭のように地面から突き出ている。
 日当たりの良くなった地面には雑草が生い茂り、ボールが入ったら、見つからないだろう。
 切った理由は落ち葉対策ではなく、当時問題になった小学校での防犯対策だとか。
であれば、下枝を払い、剪定をすればいいのに。風通しの良さそうな林だったのが、下草や下枝がたくさん出て、今の方が見通しが悪い。

 先日も今春完成した岡崎のお宅から、街路樹のクスノキが切られたという報告が入った。
 確かに街路樹にクスノキはいかがなものかとは思ったが、独特の景観を築いていたのも確かである。
 どうも木を大事にしない傾向が目についてならない。この地方のだけの傾向であろうか。
 豊かな照葉樹林に囲まれて育った人たちには、木はいくらでも生えてくるという感覚なのだろう。確かに焼き畑農業も照葉樹林文化ではあるのだが。
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