NA.home通信 251号

28.sep.2006
 1.8リッターの下剤入りの水を3時間以内に飲む。
 朝7時から20分おきに200ccずつ9回、最終が9時40分。その間、その後トイレに通うこと9回、最後は水のようなものしか出ない。あんなに出たのに便器の底が透けて見える。
 大腸ガン検査の朝のことである。
 前の日から食べてはいけないものがあって、夜は素うどん。ネギも油揚げも入っていない。検査の予約は1時過ぎ、それまで下剤入りの水とお茶しか口に入れていないが腹は減らないものだ。
 しかし、20分おきによく飲めるものだ、それだけ吸収が良いのだろう。ビールでもそのペースで飲んだら酔っぱらうか腹がパンパンになってしまう。
 お尻に穴の空いた紙のパンツとサウナの上着のようなものに着替えて、点滴を打たれ、診察台に立って乗ると、90度倒され横になった。
 点滴のチューブに眠くなるクスリが入れられ、気が遠くなる。途中、内視鏡が入っているのに気づいたがまた眠る。
 診察台を起こされて目が覚めた。  「一つポリープがあったので取りました」と言われたが半分は夢の中。
 部屋とベッドが変わり、また点滴を入れられ、眠る。
 
 今度は隣人のイビキで目が覚めた。
 ところが彼がトイレに立ってもイビキは止まらない。さらに隣のベッドの男が音源のようだ。静かな医院内に響き渡る騒音、内視鏡を肛門から入れるより苦痛である。
 
 最後に先生から内視鏡の画像をパソコンで見ながら、たぶん良性のものだろうと言われ、少しホッとした。
 簡単なものだが手術をしたことになるので、傷が癒えるまで、節制である。酒も飲めない。
 いっそこの間で減量しようと決意を込め、体重計に乗る。
 うっそー、1キロ増えている。24時間うどんと下剤と水分しか口に入れてないのに。なんでぇーー。
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