NA.home通信 105号

                 20.jan.1998

 「便利」ということばに人は弱い。その便利の裏にワナがあるから注意した方がいい。

 年明け早々恥ずかしい話ではあるが、口座に残高が少なく、事務所の電気代とファックスのリース代が落ちなかった。それぞれ金額が少ないので信用金庫から連絡があればすぐ入金するのだが、うちの担当が休みだったので飛ばされてしまったのだ。電気代は、改めて引き落とされるから良いのだが、リース代は「振り込め」ときた。

 「何が悲しくて5000円ばかりのために200円の督促料金と振込料735円も負担せなならんのだ」ムカッときたので電話して「残り全部払うから精算しろ!もう縁切りだ」と言ってやった。もちろん残高が少ないのを計算しての話だが。

 自動引き落としなんか全然便利じゃない。金の有る無し問答無用のやり方だ。残高不足の連絡があったとしても、他の銀行口座から出し、入金にもう1軒の銀行に走らなきゃならない。振込なら1軒で済むし、有る時に払える。こちらの方が3倍便利だ。自動引き落としは取り立てに便利なだけで払う側のことなど全く考えていない。

 クレジットカードは現金が無くても買い物ができる。口座に一文も無くてもだ。またこれが忘れた頃に来るからやっかいだ。これくらいは払えると思って使うのだが、時間がたつと経済状態は変化する。たいてい悪い方に…。

 「これがカード地獄の入り口か」と思うと背筋が寒くなる。私の場合、根がケチなのでこれに気づくが、気づかない人がずいぶん多いようだ。また分かっていてもぬけられない人も。


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