仕様と工法決定
いろいろ検討した結果、仕様と工法を決定した。
屋根
断熱材 : 木質繊維断熱材 パヴァテルムプラス 80mm厚
仕 上 : ガルバリウム鋼板竪葺(ワンタッチルーフ工法)
既存の屋根、大波スレートの下には母屋でタルキもない。パヴァテルムは下地の板が不要なので、タルキを打って、即断熱材が施工できる。
また、80mmという厚さも魅力である。
屋根葺き材は、これ以上重くすることも良くないので、ガルバリウム鋼板とした。また、ガルバリウムがアルミが溶着してあるので、遮熱性能があり、0.4mmという薄さは熱を持ってもたいしたエネルギーではないので、遮熱シートも省略した。
お客さんの家なら省略しないかも。
外壁
断熱材 : 木質繊維断熱材 パヴァテックス ディフテルム 60mm厚
仕 上 : 樹脂モルタルファイバーネット塗り込み、
アクリル系左官材料(デパネートコート=オーパス社製)コテ塗り
パヴァテックス ディフテルムは下地の面材は不要、胴縁に施工でき、いきなり左官仕上げできる。
落ち着いた色にしようと、デパネートコートを選んだ。
基礎
断熱材 : EPS(ビーズ法スチレン)パネル 50mm厚
仕 上 : 樹脂モルタルファイバーネット塗り込み、モルタル刷毛引き仕上
わが家は高基礎なので、基礎断熱は重要。また、内部の改装はしないので、床断熱ができない。
基礎を断熱することで、床断熱無くても、知多半島の温暖な地熱が作用し、冬暖かく、夏涼しくなるのを狙う。床下には全面にコンクリートが打設してあるので全く問題なし。
ドイツ製樹脂サッシ
外部開口部
窓(サッシ) : ドイツ製樹脂サッシ LOW-Eアルゴン トリプルガラス入り
玄関ドア : アメリカ シンプソン社製 木製ドア ペアガラス入り
サッシは検討の結果、ドイツから樹脂サッシを輸入することにした。値段が予算内に収まることと、お客さんの家で使ったことのないもので、仕入ルートを作るのと、どんなものか体験したい興味が手伝って決定した。
玄関ドアは日本に在庫のある、シンプソンの木製ドアにした。ドイツ製サッシからすると、断熱性能は落ちるが、日本のものからすればぜんぜん違う。また木製ドアの雰囲気も良い。
見積と発注
サッシ発注用の建具表
ドイツにサッシを注文するには、建具表を描く。日本語は通じないので英語にする。日本では通常外観の絵にするのだが、なぜか内観なのだ。内開きが中心だからだろう。
記号はVW−1、VW−2と振ってある。WはWindowだが、Vは何? わからぬまま描いたが聞いてみると「ビニール」の略だそうだ。合成樹脂はアメリカだとプラスチックだがドイツではビニールらしい。ひとつ雑学が増えた。
開き方、内開きと内倒しが一つのレバーでできる「ドレーキップ」はなぜか使わず、Tilt & Turn という表現になる。
ドイツから来たサッシの図面
仲介者を通してドイツに図面を送ると、翌朝にはもう加工図が来ていた。(右図)
仕様を見ると、ガラスは4×14×4×14×4 とある。4mm厚が3枚で空間が14mmということだろう。U値は1.07である。
ガラス自体のU値は0.6で、フレーム部分の割合が大きいほどU値は落ち、ガラス面の大きなサッシはU値1.00、一番小さなサッシはフレーム部分の割合が大きくなり、1.36であった。
日本のサッシが断熱サッシ最高のものでU値は2を切らないことから比べれば、2倍の断熱性能である。
トリプルガラスとペアガラスの両方見積もりを取ったが、10%くらいしか違わなかった。それなら迷わずトリプルガラスである。最近はトリプルが標準になって、ペアの方が高いくらいになってきたそうだ。
値段は輸送費、関税入れても予算に合ったので早速発注した。発注後3ヶ月かかる。それまで着工待ちになる。