わが家 リゾート化計画

NARUTA建築事務所  

 屋根と壁の断熱材

 工事の方針は、内部はさわらず、屋根・外壁のスレートを剥がし、外部から断熱材を張り、仕上をする。
 スレートの下は屋根は母屋だけで、タルキも野地板も無い。外壁は胴縁だけで面材などは存在しない。

 理想なのは下地を出来るだけ簡単にし、断熱材が即仕上下地になるようなものが良い。グラスウールのようなマット系のものはダメだし、吹き付け発泡も出来ないし、セルロースファイバーのような充填式も適さない。
 となると、ボード状の断熱材しか考えられない。何にするか、これが結構難しく、悩ましい。


EPSパネル

木質繊維断熱材 パヴァテックス
 EPSパネル  リンク=シップスジャパンHP

 真っ先にこれを考えた。EPS(ビーズ法スチレン)パネルである。発泡スチロールの堅いようなもので、小さなビーズ状に発泡したスチレンで出来た板である。
 断熱性能は高く、ビーズにすき間があるので、内外の通気をある程度確保できる。また、直接左官仕上げも出来る。

 問題は、いくら厚くても強度がないので、下地の板が必要であること。屋根は野地板、外壁は防火性能を考えると構造用合板ではなく、防火認定の取れた面材(モイス、ダイライト等)を張った上にこれを施工することになり、仕事も多く、コストが上がってしまう。

 ニスクボード  リンク=日鉄住金鋼板 HP

 木造住宅の耐震改修研修会で知った。断熱材を鋼板でサンドイッチしたパネルである。
 断熱性能は非常に高く、強度もあり、外壁はいきなり左官仕上げできる。屋根も鋼板耐火野地板なので、屋根材を直接止められる。
 最大の問題はコストである。定価を見る限り高い。大企業で独占なので、値切れないかも。

 木質繊維断熱材  リンク=パヴァテックスジャパンHP

 最後に検討したものがこれ。知ってはいたが、日本ではまだ一般的ではなく、正直頭になかった。
 ある日、パヴァテックスというスイス製の木質繊維断熱材を売り込みに来た。日本語がほとんど出来ないスイス人と通訳を兼ねた日本人の二人。
 断熱材としては数字が低いが、それ以外に保温効果が高いこと、表から裏まで熱が通るのに6cm厚で12時間かかり、日変化では温度が伝わらないことなど、いろんな利点がありそうだ。
 何より原料が木材で、自然素材なのも良い。
 厚さがあり、強度も取れるので、下地の板が不要で、外壁は直接左官仕上げが出来るタイプもある。リフォームに向きそうだ。

 サッシは断熱リフォームの必須アイテム


木曽ヒノキ トリプルガラスのサッシ

アメリカ製 ダブルハング
 現状のサッシは当然シングルガラス。冬は津々と冷えてくる。これを取り替えずして「断熱リフォーム」とは言えない。日本のアルミサッシは断熱サッシと言えども性能が低い。そんな妥協はしたくない。
 最低でも樹脂製、できれば木製(予算次第)、高性能ペアガラスは最低条件である。

 木曽ヒノキのサッシ

 この美しいサッシは見た者を虜にする。長野県千曲市の木工所が試験製作したもの。近々市販予定と聞いた。
 日本で作ることに意義があると考え、モニター価格で見積をお願いしたが、全く予算に合わず断念。

 アメリカ製樹脂サッシ

 コストパフォーマンスを考えると、アメリカ製の樹脂サッシか。最近はトリプルガラスが増えてきたし、新築で数多く使ってきたので、よくわかっている。
 問題は、日本の在庫を使おうとすると、既存の窓サイズに合わず、基本がダブルハングやケースメントといった縦型が中心なので、引違窓があったところには嵌らない。
 取り寄せでオーダーする手もある。2ヶ月あれば可能だ。

 欧州製 樹脂サッシ

 もう一つの選択肢だ。主にドイツ製になる。アメリカがダブルハングのようなスライドだが、欧州はスイング式が中心。特に内開きと内倒しが一つのハンドルでできる「ドレーキップ」タイプが魅力的。
 全て受注生産なので、既存の窓寸法に合わせて製作可能。1間幅の開口部には半分をドレーキップ、残りをはめ殺しにすれば、納まる。
 問題は、ドイツは遠いので3ヶ月かかるのと、輸入代理店が無いので、知り合いを伝っての仕入れになる。あと、網戸。アメリカは付属品で自動的に付いてくるが、ドイツには蚊が居ないらしく、網戸は別注である。忘れないように注文しないといけない。