NA.home通信 304号
6.nov.2009

 小学校6年生のとき、課内クラブ活動でミニ社会見学に出かけた。裁判所だとか工場だとか、歩いて行けるところ限定だが、その中で牛乳工場は良かったね、見学のあとコーヒー牛乳を飲みながら工場の人からお話を聞いた。
 設計の仕事に就いてこの牛乳工場の仕事をすることになるとは。工場ばかりでなく、牧場、堆肥施設、牛乳の貯蔵タンクなど。尿を溜めるコンクリート製の水槽は30ヶ所くらい設計した。
 その体験からわかったこと、それはわが町半田には牛がとてつもなくたくさんいて、日本一酪農技術が進んでいるという事実である。一牧場当たりの頭数は桁違いなのだ。だから半田市は少し郊外に行くと何処も牛糞の臭いから逃げられない。

 その牛糞で発電できるという。バイオマス発電である。ドイツではもう4千ヶ所以上もバイオマス発電所があって、成功している。ドイツは電気を定額で買い取る制度があり、補助金が無くても採算が取れる。でも日本では電気を買い取るのは売値の半分くらいで、発電した電気の使い道がないと、採算は合いにくい。
 それと、普及しない最大の原因は補助金目当てで高い物を売りつける大企業である。それも成功すればいいのだが、補助金が切れれば採算割れで、施設はお蔵入りになる。
 どういう訳か太陽光発電は補助されていて、今月から買値が48円/kw・hだそうだ。ドイツの倍以上である。太陽光パネルは大企業が儲け、合わせてオール電化で電力会社が儲かるからね。エコ関係ないじゃん。
 太陽光は晴れた昼間しか発電できないが、バイオマスは24時間変わらず発電できるし、調整も可能である。牛糞に悩むわがまちの解決方法はこれに勝るものはない。
 ドイツのように自然エネルギー全般で一律電気を買い取る制度にはならないのかな。そうすれば原発は無くせるのに。



HOME   LIST     303号    305号