NA.home通信 301号
3.sep.2009

 一級建築士は国家資格で、大臣から交付される。私の免状には「建設大臣 斉藤滋与史」と書かれている。そのときの大臣の名前になるので有名な人なら良いが、斉藤大臣を私は知らない。
 省庁再編以降、国土交通大臣になったが、そこに「林寛子」と書かれた免状をもらった人たちがいる。林寛子?そんな大臣居たっけ。
 林寛子というと昔のアイドルでクロパン(黒澤久雄)の別れた奥さんかな、と思うがそうではない、扇千景の本名なのだ。だったら「国土交通大臣 扇千景」のほうがありがたい。
 
 ここ数年、国土交通大臣のポストは政権バランスに利用されてきた。その間、建築基準法や建築士法が改正され、確認申請を出せば構造審査の適合判定などで大幅に時間がかかり着工が遅れ、工事が遅れるだけならまだしも、工事そのものがキャンセルされる事態が生じ、建設業界は大混乱した。住宅では瑕疵担保責任履行法が出来、施工会社や建築主の負担が増えた。
 一方で行政方の反省は無いに等しく、民間確認機関や構造審査機関などに天下り先が充実してしまった。民意が反映せず、官僚主導で良いようにやってきた結果であろう。
 世の中の景気がまあまあだった時に良くなくて、景気が悪くなったら共倒れという状況ではこの業界は浮かび上がれない。与党の地盤だった建設業界がこんなでは、締め付けたくても締まらなかったのであろう。

 良きにつけ悪しきにつけ、この選挙で政権は変わった。これでこの業界、少しは良くなるだろうか。少しは期待したい。
 ところで大臣は誰がなるだろう。まさか巨人の5番打者と同じ名字のおじさんじゃないだろうね。それじゃ前と同じだ。


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