NA.home通信 297号
10.jun.2009

 いよいよ今年も雨のシーズン到来である。被害が出ることなく、ほどほどに降って欲しいものである。
 降った雨はどこに流れていく?
 田舎なら、流れが見えるが、都会では見えない。排水口から下水に流れていくだろう、とは誰も想像できる。それからどこに行く?
 
 以前、半田市内で自動車整備工場の設計をしたことがある。
 工場には洗車場があって、車をジャッキで持ち上げて、スチームで洗う。ここには屋根がない。晴れた日でもカッパを着ての作業なのだ。
 この施設の排水は汚水であるので下水道に流さなきゃいけないが、雨水は入れるな、と指導された。そりゃ無理だよ、雨の日でもやるんだから。
 半田市の下水道は分流式といって、使った排水だけ下水道に入れ、雨水は他の経路で川から海に流す。雨水が下水に混入したら施設がパンクしてしまう。
 洗車場の雨水は他の敷地の水を流さない構造とすることで決着がついた。でも名古屋はそんなになっていたっけ。
 
 名古屋のような大都市では2経路の排水を確保することは困難で、合流型といって全ての排水が同じところを通る。
 トイレの排水もメッキ工場からの排水も雨水と一緒に処理される。
 じゃあ、大雨が降ったら、パンクしちゃう?そうならないようにできているんだな。オーバーフローして堀川や日光川に流れ出るようになってる。その口が何十ヶ所もあるのだそうだ。
 天気が続けば堀川は少しずつ綺麗になっていくが、まとまった雨が降ると、また汚れた川になってしまう。それを繰り返している。
 その先は伊勢湾である。雨が降るたびに未処理の排水が流れ込んでくるのだ。これはどえりゃあことだで、河村市長。



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