NA.home通信 296号
19.may.2009

 昔というか、ちょっと前まで普通の風邪とインフルエンザとの区別をあまりしなかったのではないか。
 風邪は根性で治すというような考え方もあって、多少の熱くらいは頑張る、それが根性のある人という評価になる。
 
 事務所勤めだった頃の話。私とM夫の班と、S村とH川の班、合計4人のスタッフで回していた。
 H川が前述の頑張るヤツで、体温計を挟みながら図面を描いている。先輩のS村は鼻炎持ちで風邪をひきやすく、風邪にかかると3日寝る。
 体温計の目盛りの上昇に満足しながら仕事を続けるH川に、
「頼むから帰ってくれ」と帰宅を促した。
 まだ38度しかないと言うH川に、「ここには移りやすい人がいるから」となんとか帰したが、すでに遅かったようである。
 翌日、案の定S村も欠勤、戦力は半減した。
それまでそんなに忙しくなかったが4人の仕事を2人でこなすとなるとメッチャ忙しい。
 3日経ち土曜日になって、S村班は休みの日、治っている頃なのにやっぱり出てこない。最後輩のM夫が怒り出す。
「一体どうなってるの?毎日残業で先輩たちの仕事をやっているのに知らん顔はないだろう。治ったら土曜日くらい出てこい」
 休むと迷惑が掛かる、という考え方は改めてもらいたい。無理して出てこられた方が迷惑なのである。
 今回の新型インフルエンザは高校生を中心に感染が広がっている。若い人は体力があるから、H川のように無理して動き回るヤツらがいるのだろう。
 H川は高校時代、39度の熱を押して学校に行ったら学級閉鎖だったとか。
 そんなときに頑張るな、普段もっと頑張れ。


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