NA.home通信 269号
14.oct.2007

 戦っている人はたくさんいる。というより、戦っていない人は居ないと言ってよい。ただ、望む戦いかそうでないかの違いはある。
 昨日10月13日は愛知建築士会主催の学生コンペの最終審査だった。これも戦いの場である。5分間の持ち時間を余さず使い、模型、パソコンを駆使してのプレゼンテーションは、どれもすばらしいものであった。

 審査委員長は新進気鋭の建築家、中村拓志氏。学生時代からコンペ荒らしで名前を売り、コンペで勝って仕事を取っている、すばらしい戦士である。
 去年の委員長は黒川紀章氏。コンペ本戦の前日に訃報を聞くという驚きであったが、氏もコンペで戦ってきた人だ。また師匠の丹下健三氏も、前川事務所にいながら同じコンペに出し、前川國男氏を押さえて勝ち、破門になった男である。
 去年の表彰式後の講演で黒川氏は、
 「コンペに勝つには一つだけ方法がある。それは勝つまでやることだ」と語った。勝った人だから言える言葉ではある。
 中には慣れている強者も居たが、プレゼンに挑む学生の姿は初々しい。こういう場面に立ち会うと心が洗われる。この中から一流の建築家が出るかも知れない。

 望まない戦いもある。病気やトラブルなどあまり考えたくもないが、未来を変えるような大きな挑戦はしてみたい。ただそのチャンスが目の前に無い。いや、見えていないだけなのかも知れない。ちょっと考えてみようか。
 人生を変えるような戦い、経験した人は教えて欲しい。


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