NA.home通信 98号

             1997.8.11

 私のところはもう10年くらい前に中元や歳暮を出すことをやめている。設計事務所という性格から出すべきではないと思うのと、根がケチなのと両方なのだが、やめてみると、出すから来るという部分も多かったのに気づく。「いつも世話をかけるから」と思って出すのだが、受け取る方は「戴くだけでは申し訳ない」とまた送ってくる。贈るのをやめてみると受け取る方もずいぶん減った。
 最近では仕事のつきあいで贈って来るところだけでやれやれだが、困ったことが一つある。それはいらないものを戴いてしまうことだ。宅配便で送ってくるので中身がわからず開けてみて「どうしよう」と悩む。こんな事なら戴かない方がいい。
 私の事務所に来たときにはコーヒーはちゃんと点てて出しているのに毎年インスタントコーヒーを贈ってくる会社。全く気が利かない。仕方がないのでインスタントを飲んでいるところを探してもらっていただいた。
 最も困るのは合成洗剤だ。以前も数回通信に書いたが、合成洗剤は身体にも環境にも悪いので使っていないし、さわるのもいやだ。でも世間に溢れていて気にしていない人がほとんどなので、こういうことが多い。景品などは拒否すりゃこと足るけど、丁寧に梱包して贈られてくると困る。一度訳を言って送り返したことがあるが面倒だ。人にあげるわけにもいかないし、捨てりゃ環境破壊になってしまう。焼却するしかないが液体では燃えるゴミで出すことができない。ということでまた床下に放り込む事になってしまいそうだ。
 同じ金を使うならこんなややこしい物体を贈らずにビールか純米吟醸酒でも贈ってくれりゃいいのに。

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