NA.home通信 98号

             1997.7.26

 太平洋側に住む私たちが日本海側のまちを訪ねると、海が作り出す景観の違いに驚く。先日建築士会半田支部の研修で行った舞鶴は入り江にある港町。その港に面して市役所がある。その駐車場の端がいきなり海なのだ。海があり山が迫り、大変美しいロケーション。知多半島にも同じようなところはありそうだが、決定的に違うのは堤防がどこにもないところだ。まるで湖の畔のような優しさがある。
 私たちの目的は赤煉瓦建築物の再利用の例を見学すること。昨年の札幌、小樽に続く二段目。ここには旧海軍の機雷倉庫を利用した「赤煉瓦博物館」と市役所に隣接して煉瓦造倉庫を使った市制博物館などがある。この日7月19日はその市制博物館と隣り合って建つ3棟の煉瓦造倉庫に囲まれた空き地で「Jazz Live in 舞鶴」が催された。勿論これも研修のスケジュールに入っている。日野元彦率いるバンドなどが出演し盛り上がった。この企画はもう7年目だそうで、まちづくりに対する市民のパワーを感じることができた。
 干満のない湖のような海と赤煉瓦の建造物、迫る緑、夏の夜空に響くjazz、冷たいビール、涼しい海風。梅雨明け直後の夏の一日を満足することができた。

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