NA.home通信 171号

2.dec.2001
 同年会の総会でローストビーフを和風にアレンジした料理が出た。
 「牛肉はちょっと…」というので「狂牛病が怖いのか」と訊ねると、「通風が怖いんで…」ときた。
 すると「俺は血糖値が心配」、「血圧が…」という連中が続出した。
 「狂牛病は怖くないか」という問いには
「そんなんで死ねりゃあ、女房がどれだけ喜ぶか、保険は下りるし、第2の人生ありがとう、てなもんだわな」と笑い飛ばした。

 先日、愛知県の商工業金融課と懇談した。
 国産牛の扱い量で特別枠の融資が受けられるのだそうだが、その国産牛の定義について訊いた。
 日本で生まれた牛もいれば、子牛で来るヤツもいる。和牛もいればホルスタインもいる。突っ込んだ質問にたじろいだが、どうやら日本で肉になれば直前までアメリカ大陸を歩いていた牛も国産牛らしい。

 外国から子牛をつれてきて輸入した餌を食わしていれば、日本に糞が残る。
 本来家畜の糞は牧草地に撒くべきものだ。本当なら、飼料を輸入している商社が責任もって糞を回収し、産地の畑に還元すべきであろう。そうしないとその畑は痩せて砂漠になってしまう。
 日本は毎年総量で7億トン輸入し、1億トンに満たない量輸出するのだそうだ。
 石油石炭をふくめ、かさのあるものを輸入し、軽くて値の張るものを輸出して貿易黒字を稼いでいることになる。内容はともあれ、6億トンが国内に残留する計算になる。
 これでは国土が総ゴミ捨て場になるのは必至だ。

 昔には戻れないかもしれないが、少なくとも国内で循環するサイクルは取り戻さないと世界的に見て極めて危ない。
 日本列島が慢性の便秘に悩まされているのだから、食生活から改善しないと治らない。保険や第2の人生は国にも地球にも無いのだから。

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