NA.home通信 143号

                 16.apr.2000


 最近時々、カメラをほめられることがある。
 ペンタックスのMEという、大衆向けの安い一眼レフだが、もう20年以上使っている。
 買った当時はニコンのFシリーズが全盛で肩身が狭かったが、最近そんなの持ち歩いている人はとんと見ない。
「結局軽量で使いやすい方が勝ちか」とほくそ笑んでいる。

 ふと見回してみると家の中に長く暮らしている道具たちがいる。
 事務所で使っているアラジンのストーブは18年だし、小さな道具、ハサミや工具などは歴史があるものが多い。
 中でもわが家の極めつけは電子レンジだ。
 これは兄が中古で買って店でさんざん営業用に使い、スイッチが壊れて修理に出したのがきっかけでわが家に来た。
 それから毎日使って故障もせず19年経った。
 3人(おそらく)の主人に仕え、私のところで2度の引っ越しを経験した。私がこの電子レンジだったら自分史を出すね。

 最近小さな事件が起こった。
 愛用していた透明ボディーの三色ボールペンが行方不明になった。
 透明なのでインクの減りがよく見える。三色偏り無く使い、ついに三色とも先端の金属の部分にインクが残るだけになった矢先だった。
 こんな悔しいことはない。1点差、9回2死満塁でテレビ中継が終わるようなものだ。
 どこかに入れ忘れているのだろうと探しているところだが、犬や猫は最期死ぬところを主人に見せないというから、それと同じでどこかに消えたか。

 道具にも主人との相性がある。相性のあった道具は自然と大事に使い長持ちするものだ。何か人生とも通じるものがあるような。
 私もみなさんに永く可愛がってもらいたいね。
 それには道具が良くないとダメだって??。何の話??。


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