NA.home通信 142号

                 20.mar.2000


 友人に「るみ」ちゃんという名の妹がいた。
 変わった名前だなと思っていたら、小柳ルミ子がデビューして流行りの名前になった。
 10数年後に流行る名前を付けたご両親のセンスがいい。
 私も娘に名前を付けるときはそれをねらってずいぶん考えた。
 洋風の名前が多い中、「明日香」という和風の名前にしたが、そう考えた人が多かったのか、流行りすぎてNHKの朝ドラのテーマにまでなる始末で、娘は「平凡な名前」と不満な様子。

 息子の名前は「一生(いっせい)」。
 こちらはデザイナーの三宅一生、ギタリストの野呂一生、工芸和紙の山内一生の名前を勝手にもらった。
 こちらはいまだ珍しい名前で、本人も気に入っている様子。だいいち、画数が少なく書きやすい。

 私が生まれた頃、うちは飼料を商っていた。
 完全飼料というメーカーがあって、そこの「完全二号」という飼料の名前からとって「完二」と付けたと親から聞いた。

 俺の名前は鶏のエサかい。

 いくら何でもそんな親はいない。冗談に違いないと考えていて、大人になってから母に聞き直したら、
「完全二号というエサがあって…」と昔聞いたと同じ話。
 たとえそうでも何か作り話でも良いからがっかりさせないことを考えておいてほしいものだ。

 「成田さんの名前は次男だから『二』が付くのね」と言われたがそうではない。
 確かに次男ではあるが「二号」の「二」なのだ。
 あれが「完全三号」なら「完三」になるところだった。「カンゾー」では肝臓が悪そうでイヤだね。


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