NA.home通信 460号
19.Jan.2019

 「このお正月、沖縄で過ごしたんですけどね」
 「良いですね」
 「沖縄の神社でおみくじ引いたら『凶』しか出ないんですよ」
 「えっ、なんで?」
 「もう吉(キチ=基地)は要らない」
 ある漫才の引用だが、本来芸能はこういう世相風刺が無くてはいけないと思う。スキャンダルをお笑いにしてもズバリ政治を切るなんてネタ、聞いたことが無い。
 昔、コロンビアトップ・ライトは世相漫才をやっていた。若干体制寄りで気に入らなかったが、無いよりマシ。立川談志もマクラで政治を話題にしていた。特に議員を辞めたあとは辛辣だった。
 
 外国では当たり前の世界。政治は国民の共通の話題だから、お笑いがネタにしない手は無い。堂々とやるし、政治家も利用したりしている。当然、賛否両論出る。それが正常な世の中なのだ。日本はそれを忌み嫌うところがある。良いじゃないか、ブログが炎上しようとも、風刺こそが庶民に届くメッセージなのだ。新聞読まない、ニュース見ない、討論番組なんて見るはず無い。そういう人たちには政治は関係無いのか。大衆が無関心なことが体制側にやりやすい環境を作っているのだ。
 
 最近、凄い漫才を聞いた。ウーマンラッシュアワーという村本大輔とパラダイス中川のコンビ。ネタは村本が作っている。原発銀座の福井県出身で、原発から、基地、災害、予算の使い方など、そのネタはタブーとされているような中身を切りまくる。その独特の早口、テンポは超特急。見ていて心地よい。
 視聴率、スポンサー優先の世界にクサビを打ち込んだようにも思える。これくらいの毒が世の中には必要なのだ。
 
 テレビではやらないと思うので、youtubeなどで是非ネタを見聞きしていただきたい。

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