NA.home通信 310号
18.mar.2010

 初めて訪れた下関はあいにくの小雨。それでも城下町長府から路線バスで唐戸へ。赤間神宮から、デカいふぐの銅像がある亀山八幡宮を参拝した。
 妻が御朱印を札所にお願いすると、社務所内に入れてくれた。
 入口横にここでも朱印帳が置いてある。「持ってるのと似てるね」と話しながら暖房の効いた部屋に入った。
 妻の朱印帳は昨年秋、鎌倉の鶴岡八幡宮で買ったもの。境内がデザインしてある美しいもので、先日強風で倒れた大銀杏も描かれている。

 椅子に座りしばらくすると神職の青年が出てきた。彼は鶴岡八幡宮で昨年まで8年間修行していたとのこと。朱印帳をみて懐かしくて出てきてくれた。
 名古屋に妹さんが嫁いでいること、伊勢で赤福を食べる話など、しばらく話しをし、朱印帳の表紙に名前を書いてくれた。
 亀山八幡宮の朱印帳はありきたりのものだったけれど、在庫が切れたのを機に鶴岡八幡宮にならいデザインを起こして型から作ったものだそうだ。それで少し似ていたのも理解できる。
 下関に鎌倉の朱印帳を持参する人間は確かに珍しい。そのおかげでこういうふれあいが出来たのはありがたい。
 唐戸で目的にしていた近代建築2点は残念ながら両方とも改修中で足場に覆われて見ることが出来なかったが、思いも寄らぬ楽しいひとときが過ごせたことが何よりの収穫。これだから旅はやめられない。
 夜、ホテルの前の居酒屋でふぐ料理を贅沢に食べたのも合わせて、下関の思い出を心に刻んだ。


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